ウイリアム・モリス の壁紙

ウイリアム・モリス – MORRIS & Co.

ウイリアム・モリス – William Morris -(1834-1896)

ウィリアム・モリスは1834年にロンドンのウォルサムストーで生まれました。女性が多い家庭で育ったため、日々の裁縫や庭仕事、飾り付けは、彼にとって 身近な事でした。

「私の仕事は、理想を具現化することだ」

芸術家・哲学者・政治的思想家だったウィリアム・モリスは、アーツ・アンド・クラフツ運動を先導した、影響力の強いデザイナーです。

ウイリアム・モリスが、交友のあった友人たちとともに1861年に設立した「モリス・マーシャル・フォークナー商会」は、美しさと実用性を兼ね備えた装飾芸術をコンセプトとしていました。

芸術家としての手、先駆者としての心。そのどちらをも併せ持つモリスの哲学は、彼が創造したデザインを通じて160年以上もの間、受け継がれています。

― MORRIS CHRONICLES ― サンゲツ

詩人としても知られていたウィリアム・モリスは、象徴的で優美な花言葉が収められた昔の物語(クロニクル)や書物を好んでいました。 サンゲツのオリジナルコレクション “MORRIS CHRONICLES” は、1864年~1912年にかけて作られた、自然を賛美するデザインを収録。

モリス商会がマーケットにもたらしたものは、クラシックさを保ちながらもクリエイティブでコンテンポラリーな革新性を併せ持つ新しい独自のスタイル。

雑然とした印象がぬぐえないヴィクトリア女王時代のインテリアに対し、 ウィリアム・モリスとアーツ・アンド・クラフツ運動および唯美主義運動は、「シンプルさとクラフツマンシップ」「自然の美しさからインスピレーションを得たデザイン」という新たな方向性を示しました。

150年以上前に生み出されたデザインは、過去を振り返り、そして未来を心に描きながら今という時代に合わせて再解釈され続けています。Morris & Co.は、時代を超えてもなお、普遍的に優れたデザインやスタイル、イメージをアップデートし続ける、誠実で継続性のあるブランドです。

WILLOW BOUGHS|ウィロー バウ

1887 Designed by William Morris

モリスが娘のメイと、ケルムスコット・マナー の近くのテムズ川へと繋がる小さな川の岸辺を歩いていた、ある日の午後の情景をもとに描かれたデザインです。

メイはその後、ウィロー バウは「私たちの思 い出の柳が精巧に描かれており、ロンドンの人々のリビングを彩る壁紙として広く使われるようになった」と記録しています。

ブロックプリントのようなインクだまりやかすれの表情、マットな風合いなど細部までこだわってつくりあげた壁紙です。

FRUIT

1864 Designed by William Morris

フルーツは果実と枝の広がりに特色のある デザインで、オリーブ、ザクロ、オレンジとレモンが描かれています。

モリスの生涯の友であるエドワード・バーン・ジョーンズはこの原画を絶賛し、ダイニングルームをこの柄のプリントで装飾したと言われています。

WALLCOVERING(壁紙)は、モリスを代表するデザインが現代の建築空間になじむフレッシュな表情と明るいカラーで再現されています。

DRAPE(ドレープ)は、天然繊維混のやわらかい生地に、あたたかみのある色合いの刺繍糸で柄が表現されています。さわやかな印象の白やブルーグリーン、ナチュラルな印象のベージュのカラーラインアップです。

STRAWBERRY THIEF|いちご泥棒

1883 Designed by William Morris

ウィリアム・モリスにより優雅に描かれた苺をついばむツグミのデザインは、1883年から人々の心を魅了してきました。

レッドハウスの庭を訪れる鳥たちに着想を得て自然の優美さを表現したデザインは、インディゴとアカネの染料が用いられたモリス商会の初期の色刷りのテキスタイルとして発表されました。

モリスのデザインの中で最もアイコニックないちご泥棒のパターンを、シェニール糸によって表現したファブリック。
やわらかい素材感とグレイッシュなカラーで、モダンな空間を演出します。

LEICESTER|レスター

1912 Designed by John Henry Dearle

ジョン・ヘンリー・ダールが1912年にモリス商会のためにデザインした「レスター」は、ウィリアム・モリスを象徴するデザインの特色が受け継がれています。

渦巻くアカンサスの葉は流れを構図に生み出し、群生するデイジーやツリガネソウ、花びらの縁がフリル状になったカーネーションを取り囲むように描かれています。

ブルー系の配色で、華やかさがありつつも洗練された印象のファブリックは、モダンなインテリアとも相性が良く、空間に上品な印象を与えてくれます。

BROTHER RABBIT|ブラザー ラビット

1882 Designed by William Morris

ブレア・ラビットとしても知られるこのデザインは、ウィリアム・モリスの田舎の家の周りの風景を彷彿とさせるような、イギリスの生垣に集まる野生の植物や動物を表現しています。

ジョーエル・チャンドラー・ハリスによって執筆された、「リーマスじいや物語」に登場するいたずら好きなウサギに
着想を得たデザインは、モリスのシンメトリカルなプリント柄の中に物語の魅力も添えています。

図案の中に紛れ込んだ鳥とウサギがかわいらしく、シンメトリックな構成も絵本の挿絵のようなイギリスらしさ溢れるデザイン。立体感のあるディテール表現も魅力です。

THE BROOK|ブルック

2015 Designed by Sanderson Design studio

ブルック( 小川)は、1 8 9 0 年にスタンモア・ ホールに住んでいた弁護士のウィリアム・ノックス・ダーシーによる重要な仕事の依頼の影響を受けています。

名前に象徴される、森の中の曲がりくねった小川のそばで牧草を食べるファロージカのデザインは、当初はタペストリーとして製造されていました。

オリジナルは豊かな色彩で描かれた絵画のようなデザインを、トワルドジュイや絵本の奥付のようなかわいらしくシンプルなカラーにアレンジした壁紙です。

ACANTHUS|アカンサス

1875 Designed by William Morris

アカンサスは、1875 年3月に屋号をモリス商会へ変更した際に初めて発表された壁紙です。

アカンサスは、モリスの得意な手法として良く知られるレイヤーを重ねる技法を反映させて、雄大に描かれた渦巻く葉をモチーフにしており、遠近が浅い布地の中でも表情豊かな緑の表現を生み出しています。

奥行き感のある大胆なアカンサスの葉の図案と、シックなカラーが落ち着いた雰囲気の壁紙です。

TRIPLE NET|トリプル ネット

1891 Designed by William Morris

シンメトリカルな花とザクロのデザインに、モリスのペルシャ絨毯への賞賛が現れています。

デザインの名前は、組み合わさって網目状に形成されるダイヤモンドの構造に由来しており、プリントテキスタイルの製造方法によって得られたむらのある表面の斑点模様は、このデザインをより表情豊かなものにしています。

MORRIS CHRONICLESのために、モリスアーカイブから長年製品化されていなかった図案を壁紙に蘇らせました。モリスらしい繊細な図案とシンメトリックな構成が上品で見飽きないデザインです。

MARY ISOBEL|マリー イザベル

1890s Designed by John Henry Dearle

マリー イザベルは、1890年代にジョン・ヘンリー・ダールによって手掛けられた刺繍のデザインを改編させたものです。

スコットランドの慈善家、マリー・イザベル・ バー・スミスにより刺繍が施されたこのデザインは、渦巻くアカンサスの葉や花々が繊細に描写されています。

ナチュラルなベース生地に刺繍でマリー イザベルの柄を表現し、ドレープとも合わせやすいカラーにまとめられています。

天然繊維混のやわらかいベース生地に、大柄のデザインを刺繍で表現されています。華やかでありながらも、大人っぽいトーンが魅力のファブリックです。

GOLDEN LILY|ゴールデン リリー

1899 Designed by John Henry Dearle

ゴールデン リリーは、ジョン・ヘンリー・ダールの最も世に知られた壁紙のデザインです。

モリスが亡くなってから3年後につくられた ゴールデン リリーは、モリスがデザインしたものと度々間違って認識されることもありました。

当初11色の版木を使って2配色がブロックプリントされたこのデザインは、絡まり合う百合の茎と、巻き付くつるが大胆に描写されており、観るものの目を楽しませてくれます。

まとまったトーンの中に、微妙な立体感やさまざまな質感が組み合わさった、洗練されたクラシック感のある壁紙。柄を小さくアレンジしているのでポイントのアクセント使いがおすすめです。

ROSEHIP|ローズヒップ

1870 Inspired by a tile designed by William De Morgan

ローズヒップはウィリアム・モリス、もしくはウィリアム・ド・モーガンが描いた、セラミックタイルのデザインを継承するデザインになっています。

ウィリアム・ド・モーガンは彼がタイルの事業で独立するまで、モリスと共にステンドグラスのデザインを手掛けていました。

彼の初期のデザインはモリスの影響を強く受けており、ローズヒップは力強く連続して描かれたデザインが特徴となっています。

JASMINE|ジャスミン

1872 Designed by William Morris

田舎の花々を観察していたモリスは、壁をつたって上品な香りを放っているジャスミンに魅了され、この総柄のパター ンをつくりました。

ジャスミンの歴史はモリスが家族とケルム スコット・マナーに引っ越した18 71年に遡り、まさしくその庭の風景に影響されたものでした。

控えめなジャスミンの花と伸びやかな蔓の組み合わせが美しい柄がモダンな軽やかさと柔らかさのある配色で作成されています。

KELMSCOTT TREE|ケルムスコット ツリー

2010 Designed by Sanderson Design studio

1893年に中世のイギリスの刺繍から着想を得てつくられた、花々の小道や果物であふれた木々の図案を再解釈したデザインです。

色彩豊かな鳥やシンプルな花々は、モリスの娘であるメイが父のために刺繍を施した、ケルムスコット・マナーにある彼の寝室のベッドの垂れ布の影響を受けており、名前の由来ともなっています。メイは熟練のアーティストとしても知られていました。

オリジナルの刺繍の華やかさと繊細さを、緻密なグラビアプリントの5色刷りで表現した特別感のある壁紙です。

COORDINATE PALETTE / PLAINS PALETTE

MORRIS CHRONICLES の壁紙 その他

DIGITAL PRINT WALLCOVERING

– Import Collection – リリカラ

Import Collectionとは

英国で生産される「Morris & Co.」の壁紙の中からピックアップされたコレクションです。

プリント技法は、サーフェイスプリントとサーフレックスプリントという、 モリスの壁紙が誕生した当時の木版印刷(版木を使った手刷りの手法)に 非常に近い風合いを持つ技法でつくられた壁紙をメインに揃えました。

どちらも印刷時のエッジのインクだまりやベタ部分のインクの泣き、インクの重なりに出る滲みが、 機械印刷でありながら味わいのある仕上がりの表現手法となっています。

モリス独特のデザインと色使いは、今でも色あせることなく、暮らしを美しく彩ります。

Import Collection の壁紙 見本

– License Collection – リリカラ

License Collection とは

ウィリアム・モリスは“過去=歴史”を振り返って“今”を創造する人物でした。
そして、装飾という分野において、独創的なアプローチをし、数多くのデザインを残しました。

彼の考え方やデザイン手法に倣(なら)い、Morris & Co.のこれまでのデザインを振り返って誕生したのが、リリカラオリジナルの「Morris & Co. –License Collection-」です。

優しい色使いで、よりコーディネートしやすくなった新しいコレクションは、今でも皆に愛されているウイリアム・モリスと、モリスを愛するすべての人に捧げられたものです。

License Collection の壁紙 見本